「財産評価基通達による基本的なもの」

①間口の狭い土地、奥行の長い土地

 普通住宅地の場合、間口が8m未満の土地の場合、間口狭小補正率を乗じて減額となり、奥行距離/間口距離が2以上の土地の場合、奥行長大補正率を乗じて減額となる。

②不整形地

 普通住宅地の場合、かげ地割合(整形地とした場合とその不整形地との地積の差の割合)が10%以上の場合、不整形地補正率を乗じて減額となる。

③セットバックを要する土地

 その土地の接道する道路が二項道路である場合、建築基準法によるセットバック(道路として提供しなければならないこと)必要面積は70%減額出来る。


④利用価値の著しく低下している宅地(※路線価、固定資産税評価額に加味されている場合を除く)

 普通住宅地にある宅地で付近の宅地に比べ、以下のように利用価値の著しく低下しているものはその部分の10%相当額を減額出来る。
・道路より著しく高い又は低い位置にある宅地
・地盤に甚だしい凹凸のある宅地
・震動の甚だしい宅地
・その他騒音、日照阻害、臭気、忌み等によりその取引金額に影響を受けると認められるもの

⑤私道

 特定の者の通行の用に供されている私道については30/100相当に減額して評価、不特定多数の者の通行の用に供されている私道(いわゆる「通り抜け私道」)についてはゼロ評価する。

⑥無道路地

 無道路地(建築基準法の接道義務を満たしていない宅地)の評価は接道している前面土地をかげ地とした不整形地として評価し、さらに通路開設想定部分を控除して評価することで減額となる。

⑦区分地上権に準ずる地役権の目的となっている宅地
 
 区分地上権に準ずる地役権(特別高圧架線の架設、高圧ガス管の敷設等)が設定されている宅地の評価は自用地評価からその土地に設定されている地役権(30%又は50%の割合を乗じて算出)を控除して評価する。

⑧地積規模の大きな宅地(旧広大地)

 地積の大きな土地は財産評価基本通達24-4(広大地の評価)が廃止となり、平成30年1月1日以後取得の土地評価は財産評価基本通達20-2(地積規模の大きな宅地)を適用することとなった。以下のようにその適用要件が明確化された。

・普通商業、併用住宅地区又は普通住宅地区に所在すること(倍率地域においては大規模工場用地に該当しないこと)

・三大都市圏(現在では、例えば堺市、高石市、泉大津市、忠岡町は全域該当、和泉市、岸和田市は一部該当)においては500㎡以上、それ以外の地域においては1000㎡以上の地積を有していること。

・市街化調整区域に該当しないこと。

・都市計画法の用途地域が工業専用地域に指定されていないこと。

・指定容積率が400%(東京特別区は300%)以上の地域に所在しないこと。

 以上の要件を全て満たすと、適用を受け「規模格差補正率」を乗じて評価を減額出来る。

※以上は財産評価基本通達ベースの代表的な例を挙げましたが、その他にも土地の減額要因を現地調査、役所調査等を通じてみつけ、最適評価をいたしております。

 

2023年01月26日