高野山が「入山税」導入へ 提供:エヌピー通信社




 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を構成する高野山がある和歌山県高野町は、観光客から徴収する「入山税」など法定外税を2028年までに導入する方針を発表しました。オーバーツーリズム(観光公害)対策に充てたい考えで、税額などは今後調整していくそうです。

 町によると、高野山への観光客は年間約150万人で、紅葉シーズンには1日に3万人が訪れることもあります。町の人口は23年1月時点で2732人。急激に過疎化が進むなかで、観光客も利用するインフラの維持管理費の確保が困難になっています。

 法定外税とは、地方税法に定めがなく、各地方自治体の条例で導入できる地方税のこと。税収の使い道が自由な法定外普通税と、目的を定めた法定外目的税があります。00年4月の地方分権一括法による地方税法の改正で、法定外普通税が総務大臣による許可制から同意を要する協議制に改められると同時に、法定外目的税が創設されました。さらに04年度税制改正では、総務大臣への協議と同意が求められていた税率の引き下げ、廃止、課税期間の短縮についても不要としました。

 法定外税は全国の自治体で採用され、法定外目的税では東京都や京都市などが「宿泊税」を導入。法定外普通税では、東京都豊島区が狭小住宅の建設を制限するために導入している「狭小住戸集合住宅税(ワンルームマンション税)」や、世界遺産・宮島を訪問する際に納める「宮島訪問税」(広島県廿日市市)などがあります。過去には、多くの自治体で犬の飼い主が支払う「犬税」が導入されていましたが、1982年に廃止した長野県東筑摩郡四賀村(現:松本市)を最後に、全ての地方公共団体で廃止されています。

<情報提供:エヌピー通信社>


2024年06月26日